
2018.12.22
フィルムカメラ名機 撮影散歩⑥「CONTAX T2(コンタックスT2)」
ISO 200/絞り F2.8
こんにちは、雨樹一期です。
今回ご紹介するのは今も根強い人気の高級コンパクトカメラ、「CONTAX T2」(コンタックスT2)です。
中古フィルムカメラの初めの一台として検討される方も多いですね。
前回の「フィルムカメラ名機 撮影散歩」は以下より。
目次
CONTAX T2の魅力について
まずCONTAX T2(コンタックスT2)ならではの機能と特徴、どんなフィルムカメラなのか、その魅力を紹介します。
特徴と魅力
中古フィルムカメラのなかでも最人気のCONTAX T2(コンタックスT2)。
その強みは……
優れた描写力を持ち、オートフォーカスでファインダーも見やすく、絞り優先でお気軽に撮影が出来て、露出補正も可能。さらにコンパクトであることです。
とにかく直感的な操作でお気軽に撮れる。
それこそが
、皆が「CONTAX T2」を愛してやまない理由でしょう。
ISO 100/絞り F8
Copntax T2のレンズはカール・ツァイス製の「Sonnar T* 38mm F2.8」。
過去の連載でもツァイスレンズが登場する度に、その高い描写力に驚かされています。
F8に絞って全体にピントを合わせて撮っただけですが、フィルムの良さも損なわずに高い解像度を実現してくれました。
38mmは一番使いやすい焦点距離ですよね。
CONTAX T2はいつでも持ち歩けるカメラ
ISO 200/絞り F2.8
「ローライ35」の記事でも書きましたが、コンパクトであることがまた重要です。
買い物や通勤など、写真を撮るつもりがない時でもカバンに入れておけるからです。
常にカメラを持つことでアンテナが立ちます。自然と、いい被写体やアングルを探すんですよね。毎日たくさん撮ることも大切ですが、カメラを常に持ち歩くのも上達方法の一つです。
いつもそばに置いておくことができる。
それもまた、CONTAX T2(コンタックスT2)の魅力を高めているのです。
唯一の欠点
しっかりと欠点も書いておきます。それはオートフォーカスの精度がやや悪いこと。
同じコンパクトカメラで人気の「FUJI NATURA CLASSICA」を使っている方からすると、ピントが外れていて「あれれー」って写真が多く感じるかもしれません。1990年製のカメラなので、致し方ない部分でもあります。
ISO 100/絞り F5.6
上記の写真は猫ではなく背景にピントが合っていますね。ナイスポジションだったのに、外してしまいました。
ISO 100/絞り F2.8
同じく中抜けですね。僕の腕が悪いだけで使い慣れると軽減は出来るかもしれませんが、CONTAX T2ユーザーの中でも有名な欠点です。
それでも人気なのは絞り優先で撮影が出来て、ツァイスレンズの優れた描写力があるからです。
オートフォーカスに頼らずに、右肩のダイヤルを回せばマニュアルでの撮影も可能です。ここぞという時の撮影ミスは減りますね。
あ……唯一の欠点と書きましたがもう一つありますね、小さいのになかなか高価です(笑)。
これだけの機能があってツァイスレンズですからね。これも致し方ないでしょう。
CONTAX T2のその他の特徴は以下の記事もご覧ください。
CONTAX T2 Sonnar T* 38mm F2.8で撮影した作例
CONTAX T2(コンタックスT2)の作例をさらに見ていきましょう。
AGFA Vista plus 200を使用
ドイツのAGFA(アグフア)といえば、かつてヴィヴィッドな発色で一世を風靡したフィルム。
色乗りのよいカール・ツァイスのレンズを内蔵したCONTAX T2(コンタックスT2)に最適です。
AGFA Vista plus 200はそこそこ安価で、少し黄色かぶりをするのが特徴。
レトロな場所との相性のいい描写をしてくれるフィルムです。少し変化が欲しい時に。
ISO 200/絞り F2.8
オートフォーカスでここまで綺麗に撮れるフィルムカメラもあまりありません。今回フィルムは3本使いましたが、この「AGFA Vista」が3本目。ピントを外した写真はほぼなくなりました。慣れれば欠点もクリアーできそうですね。
今回の撮影場所は「Nikon NIKKOR 55mm F1.2の撮り比べコラム」と同じなので、ぜひ見比べてみてください。
ISO 200/絞り F5.6
一眼なみの高い描写力ですね。コントラスト、色味もいいですね。
ISO 200/絞り F5.6
ISO 200/絞り F4
「どや、この立体感!」と言いたくなります。
光や影、構図を意識して立体感が出るよう心がけていますが、「CONTAX T2」はそんな気持ちを汲み取ってくれるかのようです。
ISO 200/絞り F4
慣れてくれば近い被写体にもピントはバッチリ。
富士 業務用100
手頃な価格に似合わない堅実な描写。
富士フイルム(FUJIFILM)の業務用100はそんなフィルムです。
安価な割に粒状性(ザラつきも少ない)も良くて、発色も良い。フィルムらしい描写も楽しめます。
ISO 100/絞り F5.6
人気のあることがこの一枚でも分かって頂けるかもしれません。高い描写力で、フィルムらしさもしっかりあります。曖昧な言い方になりますが、空気感もいいですね。
オススメカメラってたくさんありますが、CONTAX T2もその一つですね。お気軽な軽量カメラの中では、単純にトップ3には入る描写力かなと。
ISO 100/絞り F8
「何気ない日常を気軽に写したい!」という方にはかなりオススメ出来ます。
KONO!dubblefilm MOONSTRUCK EDITIONを使用
KONO!dubblefilm MOONSTRUCK EDITIONは古い映画のような着色がされているフィルムです。好きな色合いで普段から使うこともあります。レトロな場所やモノ、雰囲気をガラッと変えたい時にオススメ。
ISO 400/絞り F2.8
普通のマンションですが、一室だけレトロ仕様。それをこのヘンテコフィルムを使って撮影しました。
室内でノンフラッシュで撮影。CONTAX T2はピントも露出もカメラに任せて撮ることが出来るのがいいですね。
ISO400/絞り F4
ISO 400/絞り F2.8
ピントが中抜けすることがあると書きましたが、オートフォーカスはやっぱり利点です。
マニュアルフォーカスでは合わせにくいポイントにもしっかりピントを合わせることが出来ます。
ISO 400/絞り F5.6
いいですね。フィルムの個性もしっかり表現してくれました。
CONTAX T2(コンタックスT2)まとめ
ISO 200/絞り F5.6
CONTAX T2(コンタックスT2)はさすがの描写力。
人気があるのも頷けます。
描写力の高さ、ボケ味、フィルムらしさの三拍子が揃っています。
そしてこのカメラで撮るといつもより立体感(奥行き)が出るんですよね。
ピントをたまに外してしまうことがあるので「ここぞ!」という被写体は、オートで撮った後はマニュアルでも撮るのがおすすめです。
これを買うか、普通の一眼と好きなレンズを買うかで迷われている方もいますが、普段から持ち歩く用として一台、しっかりじっくり撮る用として一眼という、二台持ちが理想ですね(笑)。
その中でも「CONTAX T2」(コンタックスT2)は、普段用として使うにはこれ以上ない選択肢
フィルムカメラの初心者の方にとっても扱いやすい、気軽に撮れる一台となります。