2018.08.02

【コラム】 ひぐちアサ 「ヤサシイワタシ」 カメラ小説・漫画紹介Part1

ヤサシイワタシ 書影

こんにちは。
サンライズカメラ SNS担当スタッフです。

今回から、カメラにまつわる小説や漫画を不定期で紹介していきたいと思います。

第一回で紹介するのはこちら。

ひぐちアサ 「ヤサシイワタシ」。
(全2巻)

作者は「おおきく振りかぶって」で有名になりましたが、その前に連載していた作品です。

ヤサシイワタシ 書影

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ひぐちアサ 「ヤサシイワタシ」

「ヤサシイワタシ」は、月刊アフタヌーンで2001〜2002年に連載した作品。

あくまでも、この漫画は恋愛や青春を描いた作品で、カメラや写真というものはそのエッセンス。
ですが、まだデジタルカメラが普及していない時代に世に出た作品ということもあり、デジタルカメラ前夜の「写真」というものがどんなものだったのか、その文化を今に伝える資料ともなっています。

フィルムカメラの描写

暗室

スタッフの私も、まだギリギリ、フィルムがいまよりも安かった時代に、学校の写真サークルに入っていたことがあるのですが、なんだかその頃が思い起こされるような描写が各所にありました。

作品の簡単な内容

「ヤサシイワタシ」は、大学の写真サークルが舞台の恋愛・青春を描いた作品。

といっても、けっして爽やかな明るい青春ではなく、むしろ、その年代に抱く煩悶こそが主題なのです。

写真サークルに入った主人公は、少し困った名物キャラのような女の子と恋愛関係になります。
ただ、そこで至るのは、大学生にありがちな、2人で沼に落ち込んでいくような生活

しかし、彼がそんな依存関係から脱却したときに物語は動き始めます。
残された彼女の選択は――。

第2巻、急速に物語が動き始めます。
怒涛の展開。

全2巻ですぐに読めるのですが、密度はそれ以上。
アフタヌーン版ソラニンともいえるかもしれないですね。

文化系サークルを描いた漫画

文化系サークルを描いた作品といえば、ひたすらギャグになるかシリアスになるか、でしょう。
前者は同じく写真部を描いた「究極超人あ~る」、後者は「ヨイコノミライ」が有名でしょうか。
あるあるネタと現実のシビアさをともに描くことができた作品としては「げんしけん」も挙げられます。

そんななかで、この「ヤサシイワタシ」もまた、ある種の文化系サークルが抱えがちなものを如実に描いているといえるでしょう。
大学に入って、写真や映画、演劇に興味を持ち、そういった文化圏に入り込む。
恋愛に至る。
そんなときに陥ってしまう、どこか満たされない感情。

大学生で、いま文化系サークルに入っているという人ならとくに、共感できる部分がとても多いと思います。

作者も実際、写真部に所属していたとのことで、写真についての描写はもちろんのこと、文化系サークルという空気というリアリティは、作者の経験あってこそのものでしょう。

カメラ・写真についての描写

作者が写真部にいたということで、写真や暗室についての描写はこれ以上なく的確です。

そもそもヒロインが暗室を水浸しにしてしまうところからはじまるこの漫画。

暗室が水浸し

ヒロインが肩から掛けている一眼レフは、AF機かつ白く描かれているので、Canon EOS55あたり?

ヒロインのカメラ

暗室にある引き伸ばし機は、おそらくラッキー90M-Dでしょう。

おそらくラッキー90M-D

暗室という舞台も、物語の動きの中で効果的に使われています。
考えてみると、普通に暮らしていて、暗室の赤い光のような体験はないもの。
一種の異界、隔絶された空間として、暗室はこれ以上ない作劇装置なのかもしれません。

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ぜひ読んでみませんか?

文化系サークルというもの。
文化系というアイデンティティ。

2001年の作品ですが、いまの大学生と変わりありません。

もしかすると煩悶を楽にしてくれるかもしれない。
もしかしたら作品に描かれている生活にあこがれて道を踏み外してしまうかも知れない。

そんな作品。
ぜひ、あなたも読んでみませんか?

この記事の使用画像は 講談社 アフタヌーンKC-267 ひぐちアサ 「ヤサシイワタシ」 第1巻 2007年第12刷 から引用しました。

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著者紹介:サンライズカメラ

著者紹介:サンライズカメラ

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