2018.08.21

オールドレンズ撮り比べ ④ PENTAX Super takumar 55mm f1.8(作例あり)


こんにちは、雨樹一期(あまきいちご)です。ミラーレス一眼カメラとフィルムカメラでのオールドレンズの撮り比べコラム第四回です。

カメラは『PENTAX SP』。レンズは『Super Takumar 55mm f1.8』です。
今回からカメラとレンズメーカーも変わります。オールドレンズにあまり詳しくはない僕でも知っているレンズです。

それではフィルムカメラとミラーレス一眼カメラの撮り比べ作例、いってみましょう!

前回の記事はこちら↓

【番外編】『Contax Aria』+『Planar T* 50mm F1.4』で撮るフィルム別発色の特徴

フィルムカメラもデジカメ・レンズも最高値の買取を約束します!

PENTAX Super Takumar 55mm F1.8の魅力

Super Takumar 55mm F1.8

PENTAX(ペンタックス)のオールドレンズ、Super Takumar 55mm F1.8(スーパータクマー)
中古カメラやレンズに詳しくなくても聞いたことがあるのでは?

ミラーレス一眼カメラとフィルムカメラで撮った作例、そして撮影した印象について話します。

ミラーレス一眼カメラの撮影結果がGood!

この作例撮り比べ企画、僕の中では両者の戦いでもあります。
いつもはやっぱりフィルムが強い(好き)のですが、今回はミラーレスに軍配があがりました

その理由は、『Super Takumar 55mm f1.8』の個性でもある『フレア』をしっかりと画像で確認しながら撮影、その場で確認が出来るからです。
さらにRAW現像で露出、ハイライトやシャドウなどを変えることも容易です。

* フレアというのは、レンズやボディのなかで光が反射して、ぼやけたり不必要な光の像が現れる現象のことで、特に虹色の輪っかや楕円の光をゴーストと呼びます

【↓↓↓フレアの解説はこちら↓↓↓】

フレアとゴーストとは? オールドレンズで印象的な写真を撮ってみよう!

フレアやゴーストがわかりやすい作例を出してみると……


絞り優先/ISO 160/F2.8/露出補正+1

フレア部分だけをアップしてみました。見事な虹ですねー。最近は本物の虹と遭遇することもなかったので、ハマっちゃいました。

フィルムだとその場で出来上がりを確認が出来ませんからね。逆光時の撮影も少し難しいです。
「確実にゴーストを!」「狙った場所に入れたい!」という時はミラーレスに軍配があがります。

逆にいうとフィルムでも、偶然のゴーストの位置を楽しむことはできますけどね。

とまぁ、言葉だけ説明するより写真を見るのが一番ですよね。フィルムとミラーレス一眼カメラ、それぞれの作例いってみましょう。

Sony α7で撮影した作例(ミラーレスカメラ)


絞り優先/ISO 400/F1.8/露出補正+1

フレアはさておき(笑)、まずは基本的な「写り」を見ていきましょう。

まずミラーレス一眼カメラで撮影した作例。
使用したボディは、フルサイズ機としては中古でも手頃なSONY α7(初代 ILCE-7)です。

ミラーレス一眼カメラでもフィルムっぽい写りをするレンズ

Super Takumarの焦点距離は55mmと半端な距離ですが、50mmとそこまで大きくは変わらないので割とすんなり撮影できます。
開放での絞りF1.8についても、F1.4と大きく変化もありませんね。かなりボケます。


絞り優先/ISO 400/F1.8/露出補正+1

この作例はただのピース写真。
だからこそ写りが分かりやすい写真だと思うのですが、髪の毛と目にはピントが合っていますが、鼻はボケています。

厳密にいうと、目もちょっとボケています。F1.8で動く被写体を上から俯瞰で撮影するのは、しっかりピントを合わせるのが至難の業です。


絞り優先/ISO 400/F1.8/露出補正+1

頑張って静止してもらって、正面からしっかりとピントを合わせて撮影。被写界深度の浅さは第一回で取り上げた『Planar T* 50mm F1.4』と遜色はないですね。


絞り優先/ISO 400/F1.8/露出補正+1

コントラストはやや弱めで色乗りも薄い印象。薄いというよりも、わずかに黄色の色カブリがあるような感じでしょうか。

Super Takumar 55mm F1.8はミラーレスで撮ってもかなりフィルムっぽい写りをするレンズだな、というのが第一印象。これもまた僕好み。


絞り優先/F1.8/露出補正+2

逆光でプラス補正で撮影すると白飛びする部分もあるので、RAW現像で調整をしてあげた方が良い写真も出てきます。
光の柔らかさの質が、前回まで使っていてた『Carl Zeissレンズ』とは異なります。

『Super Takumar 55mm f1.8』はしっかりとした光だけど、『Carl Zeissレンズ』はふわーっと、とけるような光。


絞り優先/F1.8/露出補正+2

この作例ではシャドウやハイライト、彩度を少しいじりました。元がやや薄目だったこともあり、少し彩度をあげるだけでもかなりハッキリしますね。

どちらがいいかは好みですけどね。手を加えない方がフィルムっぽさはあります。

デメリットっぽいことを書いていますが、比較的手に入れやすい価格で、デジタルのレンズとは描写も変わります。
Super Takumar 55mm F1.8はレトロでフィルムっぽい写真を撮りたい方にオススメのレンズですね。

フィルムっぽい写り。僕にとってはメリットです。

フレアを作るコツ


絞り優先/ISO 160/F2.8/露出補正+2

そして、Super Takumar 55mm F1.8はやっぱりフレア遊びがとても面白いのです。光の入る角度で大きさや位置も変わります。
中でも印象的な虹の輪っかを作るポイントは、

①太陽を直接撮らないこと(強い光ではなく、雲や建物で少しだけ隠れている位置)
②夕暮れなど、日が傾いた時間帯。
③絞りは開放〜8までの間(絞り過ぎるとフレアは起こりにくくなります)

これで後は位置を探ればいいだけなのですが、太陽が雲に隠れてしまうこともあるので、時間との勝負です。
また、逆光になるのでピント合わせが難点です。ピントが今どこに合っているのやらです(笑)。あまり直視するのも目にはよくないです。
撮影後は、瞳孔が閉じ過ぎちゃって、『目がー!目がー!!』となります。
ほどほどにしておきましょう。

※サンライズカメラ スタッフ追記:太陽を直接見ると失明する危険があるのはもちろんのこと、ミラーレス一眼カメラではレンズを太陽に向けるとセンサーを焼いてしまう可能性があります。くれぐれも気をつけましょう。

絞り優先/ISO 160/F2.8/露出補正+2

しつこく撮っているから、娘も「さー、もう帰ろう」というテンションに。


絞り優先/ISO 600/F2.8/露出補正+2

最後に猫も入れておきましょう。ピントが合っている部分は毛並みもしっかりと、カリカリした描写ですね。
フレアだけでなく、しっかりと撮れるレンズ、ということも分かります。

PENTAX SPで撮影した作例(フィルムカメラ)

PENTAX SP

続きまして、フィルムカメラで撮影した作例。
今回のフィルムカメラは『ASAHI PENTAX SP』です。

フィルム:FUJIFILM C200で撮影した作例


ISO 200/絞りF8

フィルムは『FUJIFILM C200』を使用しました。
価格が手頃でお世話になったフィルムですね。

サンライズカメラ スタッフ注:2021年現在、C200は製造中止になってしまいました。同じISO200で手頃な価格のフィルムとしてはKodak ColorPlus200があります。

機械式のカメラなので、前回まで使っていた『CONTAX Aria』のように「絞り優先」などはありません
マニュアルで絞りとシャッタースピードと合わせなくちゃいけなくて、初心者の方には難しいのですが、写真の勉強にはなりますね。
上達したい方はマニュアル操作のカメラも一台は持っておきたいですね。

上の作例はカリッとした描写で撮りたかったので、絞りはF8。安価なレンズとは思わない描写。やや硬めですかね。


ISO 200/絞りF4

少し絞りを開いて、F4で撮影。F1.8だと観覧車がボケ過ぎちゃいますからね。
ついつい開放で撮りたくなりますが、F2.8〜11も状況に応じて変えていきましょう。

ISO 200/絞りF1.8

この作例は開放のF1.8で撮影。フィルムで撮る方が色乗りがいいですね。


ISO 200/絞りF1.8

左上の花を見て下さい。ボケが独特です。夏の暑さの蜃気楼のよう。
実際、強烈な猛暑の中での撮影でしたが、『Planar T* 50mm F1.4』のボケとはまた違いますね。


ISO 200/絞りF8

ふんわり撮ってみようと、この作例はかなり明るめに撮影。『FUJIFILM C200』の影響もあると思いますが、やや赤〜黄色カブリ。


ISO 200/絞りF1.8

昔のテレビですね。こういう被写体はフィルムが合いますね。


ISO 200/絞りF1.8

ミニチュア風に撮影した作例、ではなく本物のミニチュアです。『Super takumar 55mm』F1.8での描写は面白いですね。

フィルム:FUJIFILM 業務用100で撮影した作例


ISO 100/絞りF1.8

ここからの作例は、フィルムにフジの業務用100を使っています。C200よりさらに価格は低め。業務用ですが優秀。普通に使えます。

※サンライズカメラ スタッフ注:2021年現在、業務用100は生産中止になってしまいましたが、同等品として「FUJICOLOR 100」が販売されています。

そして、お待ちかねのフレア写真。ファインダーで覗いた通りの輪っかが出てくれました。真夏だと18時30分〜19時くらいの時間帯がオススメです。

その時間になると娘を連れて公園などに散歩に行きながら撮影。しばらく太陽が雲に隠れていたのですが、雲間から光が差し込んできた瞬間に「光きたー!輪っか輪っかー!!ちょっと動かんといてー!」と僕だけがハイテンション(笑)。

一体この人はなにを言ってるのかしら…と、少し微妙な娘の顔(笑)。


ISO 100/絞りF1.8

この後コンビニに寄る予定だったので、「お菓子は何を買うん?」など、いろいろ話かけながら撮影しています。

やっぱりポートレートはコミュニケーションですね。大人も子供も動物も同じです。

『技術』・『知識』・『センス』・『トーク力』が必要。
さらには自然光に頼るなら、天気などの『運』も必須。

ISO 100/絞りF1.8

動く被写体だとフレアを作る時の〝光の位置〟は難しいです。これは撮影する瞬間に動かれた失敗写真ですね。


ISO 100/絞りF1.8

冒頭に「ミラーレス一眼カメラの方がオススメ」なんて書きましたが、やっぱりなんだかんだで僕はフィルムの描写の方が好きですね。

フィルムで撮られた写真は、本当に「まぶしい」とさえ感じます。

後から画像の編集が容易なミラーレス。それは利点ですはありますが、フィルムはリアルなその場・その瞬間になります。
だからドラマを感じます。

「Super Takumar 55mm f1.8」は遊び心もあり、使っていて面白いレンズです。
ポートレートにもいいですね。デジタルのレンズと撮り比べると雰囲気はガラッと変わります。

SONY α7で撮ってもフィルムらしさを堪能できるので、入門レンズとしてはうってつけですよ。

PENTAX SP・Super Takumar 55mm F1.8の解説と感想

ここからは、雨樹さんによるPENTAX SPを使った感想と、中古フィルムカメラとオールドレンズのサンライズカメラ スタッフによるSuper Takumar 55mm F1.8についての簡単な解説をお届けします。

PENTAX SPを使ってみた感想(雨樹)

PENTAX SP

マニュアル操作のカメラ、PENTAX SP
外観はザ・フィルム一眼レフという感じですね。いまのデジタルの外観よりも単純にカッコイイです。
だけどシャッター音はパコーンとやや気の抜けた音(笑)。

操作はシンプルで使いやすいですね。
レンズマウントはM42スクリューマウント(ねじマウント)で、Super Takumar 55mm F1.8のほかにも様々なオールドレンズが使用可能。
持っていて損はないでしょう。

価格的にも手に入れやすいので、入門機にもオススメです。

PENTAX SPの解説

PENTAX SP

形式 35mm一眼レフカメラ
シャッター速度 B、1秒〜1/1000秒
横走布幕フォーカルプレーンシャッター
露出計 TTL絞り込み平均測光
ファインダー 視野率約93%
倍率約0.88倍
レンズマウント M42スクリューマウント
対応レンズ 各種M42マウントレンズ
開放測光対応のフジノン等特殊なレンズも使用可
電池 MR-9水銀電池
発売年 1964年

ASAHI PENTAX SPは1964年に発売したフィルム一眼レフカメラ。
日本の旭光学(のちのペンタックス)が手掛けた大ベストセラーです。

ボディにはSPOTMATICと書いてありますが、SPと通称されています。

特徴は、TTL露出計という機能を内蔵した早い時期の一眼レフだということ。
撮影に使うレンズを通った光を用いて明るさを計測する機能で、当時としてはとても先進的な機能でした。
ただし、マウントがスクリューマウント(ねじマウント)のため「絞り込み測光」という、後の時代から考えると少し不便な方式になってしまっています。

レンズマウントのM42マウントは東ドイツ、旧ソ連、日本の他メーカーなど多彩なレンズを取り付けることが可能です。

PENTAX SPを中古で買うなら

まちがいなくフィルム一眼レフを代表する機種のひとつといえるPENTAX SP。
製造数がとても、多く当店をはじめ、いろいろな中古カメラ店で簡単に購入できる機種です。
整備済みのものでも中古価格は比較的手頃です。

それまでのPENTAXの一眼レフよりもシャッター幕が改良されていて経年劣化しづらいのもポイント。
もちろん幕交換済みがベストですが、そうではない中古でも十分に使い続けられるでしょう。

機構的にもこなれていて、修理屋さんで整備してもらいながらずっと使い続けることができるおすすめのカメラです。

PENTAX SP 60年代フィルム一眼レフカメラのスタンダード

Super Takumar 55mm F1.8

Super Takumar 55mm F1.8

マウント M42マウント
構成 5群6枚
メーカー 旭光学

Super Takumar 55mm F1.8(スーパータクマー)は、PENTAX SPなど1960年代のPENTAX製一眼レフカメラの標準レンズ。
M42マウントのレンズの代表格で、いまでいうキットレンズのように大量に製造されたため、とても手頃な価格で購入可能です。

レア度は皆無なため見過ごされがちですが、じつは写りは絶品。
魅力は作例写真でも伝わったのではないでしょうか?
中古価格が安くても描写力が高いレンズがあることを示しています。

いまの目から見ると55mmという焦点距離が標準レンズとしては少し長めに感じるかもしれませんが、これは一眼レフ用のレンズとしては時代が古く、バックフォーカスを稼ぐために焦点距離を伸ばす必要があったため。
ほかにも58mmの標準レンズなどもありました。

ちなみにSuper Takumarには外観の異なる前期型・後期型があったり、同じ形状で銘板がAuto Takumarのものなども。
またマルチコートになったSMC Takumar 55mm F1.8、さらにはKマウントのSMCP 55mm F1.8に至るまで同じ構成のまま製造されたロングセラーになっています。

Super Takumar 55mm F1.8は、まさにPENTAXを代表するレンズだといえますね。

Super Takumar 55mm F1.8を中古で買うなら

Super Takumar 55mm F1.8を中古で買う場合、気をつけるポイントはカビ、クモリ、キズなど一般的な部分でおおむね問題ないでしょう。
もっと後の時代のPENTAX製レンズに比べると、バル切れや貼り合わせ面のクモリはあまり生じていない印象です。

また、自動絞りがスムースに動くかもチェック
絞りに油が回っていないかはもちろんのこと、絞り込みピンが曲がっていないかも大事です。
(半自動絞りのボディに全自動絞りのレンズを取り付けようとして、ぶつけて曲げてしまうことがあります)

中古の数が多いので、満足のいくものが出てくるまで探すのもよいでしょう。

フィルムカメラもデジカメ・レンズも最高値の買取を約束します!

Super Takumar 55mm F1.8でフィルムらしさを堪能してみませんか?

フィルム一眼レフのボディはもちろん、ミラーレス一眼カメラとマウントアダプターで使ってもフィルムっぽさを味わえるレンズ
それがSuper Takumar 55mm F1.8ですね。

中古価格もとても安いのでオールドレンズ入門にも最適です!

次回の記事はこちら

次回はうってかわって、バルナックライカ用の標準レンズ、Elmar 50mm F3.5をお届けします!

オールドレンズ撮り比べ ⑤ Leica Elmar 5cm F3.5(作例あり)

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著者紹介:雨樹 一期(Ichigo Amaki)

著者紹介:雨樹 一期(Ichigo Amaki)

フィルムカメラ・トイカメラの多重露光などで作品撮りの傍ら、大阪・東京を中心に全国でフィルムカメラワークショップを開催。
その他、カメラの個人レッスン、ペット・家族の撮影をしています。 基本、娘と猫と珈琲とカレーに生かされてます。

HP : 雨樹一期写真事務所
blog : フィルム寫眞手帖

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