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2018.11.07
オールドレンズ撮り比べ⑥ OLYMPUS G.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.4 & ZUIKO AUTO-W 35mm F2(作例あり)
こんにちは、雨樹一期です。最近はフィルムカメラのみの記事が続きましたが、今回は2本のオールドレンズを使い、フィルムカメラとミラーレス一眼で撮り比べてみました。
標準レンズの「OLYMPUS G.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.4」と、少し広角の「OLYMPUS ZUIKO AUTO-W 35mm F2」です。
どちらも個性的で面白いレンズでしたよ。
前回のオールドレンズ撮り比べ記事は以下より。
目次
OLYMPUS OM-1 の魅力
まずは使用したフィルムカメラについてです。フィルム一眼の中ではメジャーな「OLYMPUS OM-1」です。
小型で軽量で使いやすいです。デザインも洗練されていて、女性の一眼デビューにオススメです。実際、使っている方はとても多いですね。
ちょっとマニアックな部分ですが、シャッター音がめっちゃ好みです。そこに執着している訳ではありませんが、撮るたびにふわっとテンションが上がります(笑)。
*年代によって若干、音が違うようです
ハッセルブラッドはブフォって音、PENTAX SPはパコーンって音。Contax Ariaは同時に巻き送りを行っていて音はやや大きめ。どれもデジタルにはない味があるのですが、OM-1はメカニカルでかっこいいんです。
デジタルカメラのシャッター音は作られた音って感じがしますが、フィルムカメラは生の音で小気味良いんですよね。
フィルムの一眼をまだ持っていない頃、その音にも憧れがあって購入したのを覚えています。
それからいろんなフィルムカメラを使ってきましたが、OM-1の音が一番好きです。
OLYMPUS G.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.4 で撮影
Sony α7での作例(ミラーレス一眼)
ISO 100/絞り F1.4
まずは開放のF1.4での撮影です。かなりふわっとしていますね。ピントはタイヤ付近に合わせました。
ISO 100/絞り F8
同じ場所でF8で撮影しましたが、「ナンジャコリャー」です。同じレンズとは思えない描写の違い。色の乗りも違います。
ISO 100/絞り F1.4
とにかく開放での明瞭度はすごいです。加工したみたいな滲み方。
だけどボケは硬く感じます。
ISO 100/絞り F1.4
ボケが硬いからでしょうか?画面がややうるさく感じますね。開放で撮る時は背景をしっかり意識したいです。
ISO 100/絞り F2.8
少し絞りました。コントラストは高めですね。
ISO 100/絞り F8
絞るほどにカリカリになっていきます。
ISO 100/絞り F2
絞りがF1.4〜2.8はポートレート向き。風景はF5.6〜11くらいでの撮影が良さそうですね。F1.4とF2でもシャープさは随分変わってきます。
とにかくF1.4の個性は爆発しています。
ISO 100/絞り F1.4
TOPと同じ写真です。開放で撮るならシンプルに白の背景がいいかもしれませんね。開放での色乗りはやや落ちます。
好みの分かれそうなレンズだなと感じましたが、開放での写真が好きな方にはオススメのレンズですね。
F5.6からはカッチリに変化。良く言えば万能にこなせるレンズです。
最後にフレア・ゴーストもどう出るのか調べてみました。
ヒゲみたいになっちゃいましたが、見事な虹色!
続いてフィルムカメラの「オリンパスOM-1」での撮影です。またガラリと変化します。
撮り比べとしてはかなり分かりやすい違いが出ました。
OLYMPUS OM-1での作例(フィルムカメラ)
ISO 100/絞り F1.4
富士の業務用100のフィルムを使用しました。ミラーレス一眼と比べると、色がかなりこってりです。
開放で撮りましたが、明瞭度はミラーレスよりも少し控えめになった気もしますね。
ISO 100/絞り F8
絞りをF8で撮影。ミラーレス一眼の時と同じく、かなりカリッとしますね。
ISO 100/絞り F4
めっちゃ鮮やかですね。
ISO 100/絞り F8
空を撮ってもフィルムらしい一枚になります。右上に薄っすらゴーストが出ています。
ISO 100/絞り F8
フィルムらしい一枚ですね。この味はなかなかデジタルでは出せません。
ところで、「オリンパス OM-1」のシャッタースピードは最速が1/1000秒なので、快晴の日中は開放ではなかなか撮れません。光を入れすぎてかなり露出オーバーになってしまいます。
その点を考えるとこのレンズはミラーレス一眼向きかもしれませんね。Sony α7なら最速で1/8000秒だから、F1.4もバンバン使えます。
ISO 100/絞り F5.6
ただ、フィルムカメラはそんな縛りがあるからこそ、考えて撮るようになる利点もあります。
ISO 100/絞り F2.8
少し日陰になっている場所ならF2.8くらいで適正露出になりますね。
ISO 100/絞り F5.6
作例を見ていただいても分かるように、同じレンズを使っている感じがしません。
やっぱりフィルムには味があります。
気軽に開放で撮れるミラーレス向きだと書きましたが、そもそもがフィルムカメラの為に作られたレンズなので、出来ればどちらも試して頂きたいですね。
まとめ
レンズって昔は絞り値しか気にしていませんでしたが、メーカーによって写りが全然変わります。
オリンパスの標準レンズ「OLYMPUS G.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.4」は開放で撮影すると極端に明瞭度が低くなり、ピントをしっかり合わせても輪郭はふわっと縁取られます。
ハイライトの滲みもすごいです。
ミラーレス一眼で撮影 ISO 100/絞り F1.4
カールツァイスのプラナーはボケがとろっとしていましたが、こちらは割とカチッとしています。
背景をシンプルにしないと画面がうるさくなる可能性もあります。
フィルムカメラで撮影 ISO 100/絞り F8
だけど絞ると明瞭度も高まりカリッとします。
色乗りは良く、コントラストも強くなります。フィルムだとかなりこってりした色になりますね。
絞りによって表情を変える不思議なレンズですが、性格をつかめば面白いですね。これぞオールドレンズの味ですね。
OLYMPUS ZUIKO AUTO-W 35mm F2 で撮影
Sony α7での作例(ミラーレス一眼)
ISO 100/絞り F2
35mmなので、人によっては50mmより使いやすいかもしれません。開放での撮影ですが50mmほどの滲みはありませんね。
ISO 100/絞り F8
絞って撮影。パキっとした一枚が撮れます。
ISO 100/絞り F2
お次は開放で撮影。流れるようなボケになりました。歪みが出るレンズとも言われているのでその影響かもしれませんね。
ISO 100/絞り F8
色の乗りなどが撮るたびに変化しているような気もします(笑)。フィルムっぽい描写になりました。性格を掴めないレンズです。
ISO 100/絞り F11
だけど表現力は決して悪くありません。オールドレンズはそれぞれ癖があるので、それを掴んで撮影に生かしていくのですが、「ZUIKO AUTO-W 35mm F2」は出たとこ勝負です(笑)。
続いてフィルムカメラです。
OLYMPUS OM-1での作例(フィルムカメラ)
ISO 100/絞り F2
50mmと同じく富士の業務用を使用しました。色の乗りはミラーレスよりもフィルムの方がいいですね。鮮やかです。
ISO 100/絞り F5.6
僕はフィルムで使う方が好きですね。ミラーレスよりも相性が良さそうです。
ISO 100/絞り F8
絞ってF8で撮影すると全体にピントが合うのですが、フィルムの味がより出てきます。
ISO 100/絞り F8
ミラーレスでは性格を掴めないと書きましたが、フィルムの雰囲気を楽しめるレンズですね。
ISO 100/絞り F8
シャドウ部分がやや緑かぶりしていますね。ここらへんは、フィルムならではです。
ISO 100/絞り F2.8
コントラストや色乗りは50mmと似ています。安定感は50mmの方が上で、35mmは使いこなすのが難しいかもしれません。
だけどそれがきっと特徴。出たとこ勝負を楽しめますよ。
まとめ
フィルムカメラで撮影 ISO 100/絞り F2
コントラスト、発色、ハイライトやシャドーの表現が面白いですね。悪く言えば安定感がありませんが、いいボケ味も出します。
ミラーレス一眼で撮影 ISO 100/絞り F2
こちらはミラーレスでの一枚ですが、フィルムっぽくなりましたね。意図しない表現が生まれやすい、面白いレンズです。
35mmなので50mmよりも広角。歪みが出ると言われているレンズですが、そこまで気になる感じはありません。
今回紹介したレンズはいずれも独自の個性がキラリと光っています。
特徴が分かりやすいのは50mmですが、撮っていて楽しいのは35mmでした。