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2018.12.30
フィルムカメラ名機 撮影散歩⑦ RolleiFlex Planar75mm F3.5(ローライフレックス プラナー)
こんにちは、雨樹一期です。今回ご紹介するのは二眼レフの元祖「ローライフレックス」です。
フィルムカメラに興味があれば、名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんね。すでに欲しい方も多いのではないでしょうか?
そういう僕も、中判カメラで手にしたいカメラでは、ハッセルブラッドに次いで堂々二位。
今回はたくさんの作例も含めて魅力をご紹介します。
目次
RolleiFlex(ローライフレックス)の魅力
それは憧れの対象
まず、僕が欲しいと思ったのは写りよりも名前先行かもしれません(笑)。そして、ファインダーを覗き込んで撮影している自分への憧れ。
「ローライフレックスで撮ってる俺、かっこいいでしょ」みたいな、超自己満足です(笑)。
でも、フィルムカメラの入り方や購入なんて、人それぞれです。
その中で、外観に惚れるパターンもありますよね。とりあえず知識もないけど、形から入っていく方もたくさんいます。
ローライフレックスは中判カメラなので、ブローニーフィルムを使います。
それだけで初心者には扱いにくくなるかもしれませんが、操作的には単純なので覚えればそんなに難しくはありません。
きっと、手に入れたら「頑張って使ってみよう!」って思うはず。
そこにある空気ごと写してくれるカメラ
Kodak PORTRA800で撮影/絞り F8
中判カメラであるローライフレックス。解像度はもちろん素晴らしいのですが、実際に撮影してみて思ったのは、「しっかり綺麗に撮れる」ことが一番の魅力ではなく、「その場の空気を写してくれること」でした。
当然、静止画ではありますが、続きがありそうな一枚です。
言葉で説明するのは難しいのですが、この場所で僕が感じた物語がそのまま写り込んだ感覚です。
これぞプラナーの描写力
Rollei Chrome CR200 Proで撮影/絞り F5.6
ローライフレックスに搭載されているレンズは数種類ありますが、今回撮影に使ったのはカール・ツァイスの「Planar(プラナー)75mm F3.5」搭載モデル。ローライフレックスの中では比較的、手に入れやすいです。
他にも「プラナーF2.8」や「テッサー75mm」、「シュナイダー製レンズ」搭載モデルもあります。
憧れだったローライフレックスですが、描写も大満足でした。
作例もたくさん掲載していきますね。
「Planar(プラナー)75mm F3.5」で撮影
FUJI PRO400Hで撮影
中判カメラで撮るなら断然このフィルムがオススメ。連載コラム内でも定番ですね。
低彩度で、明るく撮影するほど青みがかるのが特徴です。低彩度と言っても、色が薄いわけでもありません。
しっかり発色もして、適度なザラ付きもあり、カメラの質をそのまま表現してくれるフィルムです。
ISO 400/絞り F5.6
一枚で分かりますよね。これぞ中判の描写力・立体感だなと。プラナーのボケ味は自然で柔らかいです。
ISO 400/絞り F8
同じ場所で絞りを変えて撮り比べてみました。まずはF8で撮影。
ISO 400/絞り F3.5
続いて開放の、F3.5で撮影。1枚目のF8の方がパリッと締まりはありますが、そこまで大きな違いはありませんね。
F3.5の方が前ボケは強いですが、全体的なピントの甘さは感じません。
ISO 400/絞り F3.5
続いて逆光で撮影。ゴーストが強烈です。
ISO 400/絞り F11
絞りの値、光の強さによって、ゴーストの形も変わります。
オールドレンズの魅力ですね。
ISO 400/絞り F3.5
開放でのボケ味は、ふわとろ。ボケの白が美しいです。
ISO 400/絞り F8
空を撮れば、カメラの性能が分かりますね。
Kodak PORTRA800で撮影(期限切れ)
連載でも何度か使用している期限切れフィルムです。なんとなく、カメラの年代的に期限切れも合いそうだなって思って使ってみました。
コダックのポートラ800はネガフィルムの中では高価ですが、感度800の割にザラつきも強くなく、明暗差の激しい場所でも白飛びや黒潰れをしない優秀なフィルムです。
ISO 800/絞り F3.5
期限が切れているので、上記のPORTRA800の特徴は当てはまりませんね(笑)。
赤茶色系になってしまっていますが、いい感じの期限切れ具合。
ISO 800/絞り F3.5
いい顔してますね。大阪のディープスポットで撮影しました。
どっかのおっちゃんがあげた、竹輪が転がっています。
ディープとフィルムとオールドレンズの相性は抜群です。
ISO 800/絞り F3.5
期限切れの特徴として、感度が落ちることがあります。感度800のフィルムですが、設定を200(露出補正で+2)にするくらいでちょうど良かったかもしれません。
これはかなり暗くなっちゃいました。でも、フィルムならではのザラ付きが強調されていて、割と好きな一枚。
ISO 800/絞り F5.6
今回はフィルム3本使いましたが、カメラ目線の記念写真よりも、不意に撮る日常の方が味がでるカメラだなって感じました。
Rollei Chrome CR200 Proにて撮影(クロスプロセス現像)
現在は販売されていませんが、ローライフレックスだしローライのフィルムを!ってことで使用。クロスプロセス現像をしました。
ハッセルブラッドのマクロプラナー120mmでもクロスプロセス現像したので、撮り比べの気持ちもあります。
フィルムカメラ名機 撮影散歩② Hasselblad 500C/M (MakroPlanar CF 120mm F4 T* 編)
ISO 200/絞り F8
銀杏の木ですが、ベタ塗りしたような黄色ですね。好き嫌いは分かれそうですが、光も印象的な一枚になりました。
ISO 200/絞り F5.6
大根干してますね。撮りたくなっちゃいますよね。
クロスプロセス現像は博打要素もありますが、青空も入れて撮影すると、いい色になる率が高くなります。
ISO 200/絞り F8
ただ正面から切り取っただけですが、魅力的な一枚に。
ISO 200/絞り F3.5
ハッセルブラッドの時にも書きましたが、いいカメラいいレンズの時はクロスプロセス現像しなくてもいいですね(笑)。
まとめ
持っていて嬉しい。使っていて楽しい。描写力も高い。そして、日常をドラマチックに表現してくれます。
また、今回はフィルムを3本使用しましたが、その中で「いいなぁ」と思ったのは、さりげなく人が写り込んだ写真でした。
どんな被写体が合うのかを模索するのもいいのですが、ローライフレックスに任せて、あまり深く考えずに日常を写すのもいいですね。
ISO 800/絞り F5.6
ちなみにですが、二眼レフは上からファインダーを覗いて撮影します。その為に視点はいつもより少し下がります。それだけでも映る世界はいつもと変わります。
実際にファインダーを覗いてみないと分からないと思いますが、このファインダーには反転された世界が写っています。
もうちょっと左側にと思って動かしたら、右側に動かしてしまいます。傾き(水平線)を合わせようとしたら、余計に傾いたりします。
初めて二眼レフを使う方が「あれ?あれれ?」と、戸惑っている姿は、面白くて可愛らしいです。
最後に。僕はいろんなカメラを使っていますが、ローライフレックスでの撮影はいつもより楽しかったです。ワクワクしました。
手に持つだけでテンションが上がります。
いろんな魅力のある「ローライフレックス」、最高ですよ!!