BLOG

2019.05.14

オールドレンズ撮り比べ⑬「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」&「MINOLTA AF 20mm F2.8」(作例あり)

こんにちは、雨樹一期です。前回に引き続きミラーレス一眼カメラと、フィルムカメラの撮り比べになります。

ご紹介するレンズは2本。「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」「MINOLTA AF 20mm F2.8」になります。望遠と広角での撮り比べでもありますね。

使用したフィルムカメラは「MINOLTA α-9」、ミラーレス一眼は「Sony α7」になります。

前回の撮り比べコラムは以下より。

オールドレンズ撮り比べ⑫MINOLTA AF 85mm F1.4(作例あり)

 

「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」での撮り比べ

ミノルタレンズといえばこれ、「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」ですよね。
なんて知ったかぶりをしてみましたが、僕ははじめて知りました。ボケを美しく撮るために、こだわり抜いて製造されたレンズです。
STFとは、「スムース・トランスファー・フォーカス」の略で、「中央部から周辺部へ光量がなだらかに減少していくフィルター」(アポダイゼーションフィルター)を内蔵することで、通常のレンズで生じてしまう、絞りの美しくない形や二線ボケといった難点を完璧に解消しています。

* アポダイゼーションフィルターの影響で開放でも絞り値が4.5になります。

 

Sony α7(ミラーレス一眼)で撮影


絞りF4.5/露出補正 +2

ボケ味を堪能したくて、ガンガン開放で撮っていきました。
確かに綺麗ですね。前回の「MINOLTA AF 85mm F1.4」のボケとはまた違います。「MINOLTA AF 85mm F1.4」はとろけて溶かしてしまう系でしたが、こちらは誤魔化すことなく、しっかりとボケてくれます。


絞りF4.5/露出補正 +2

ただ、僕個人的には85mmのボケの方が好きかな。
「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」はボケに嫌味が全くなく、プロ向けというより、プロ受けするレンズですね。


絞りF4.5/露出補正 +1  2/3

僕も一応プロなのですが(笑)、オールドレンズらしさとかも求めているので、「MINOLTA AF 85mm F1.4」やTakumarのレンズが好きだったりします。

絞りF4.5/露出補正 -1/3

ボケのためのレンズということですが、僕が驚いたのは別の部分。
これまでに使ったレンズの中ではもっとも解像度が高いと感じました。ピントがあった部分の鮮明さが凄いです。

絞りF4.5/露出補正 -1/3

ちょっと拡大してみました。ほら。どうですか、この毛並み感。ピントが合っている部分の解像度が恐ろしいレベルです。ここまで再現できちゃうんですね。

まだまだ現役で活躍できる高性能さ。

絞りF4.5/露出補正 +1

凄くないですか? むちゃくちゃ綺麗です。ボケが綺麗だからこその解像度でしょうか。

絞りF1.8/露出補正 +1

こちらはオールドレンズの最安値、「Super Takumar 55mm F1.8」での撮影です。焦点距離も絞り値もアングルも違いますが、ボケ味も含めた性能の差は分かりますね。
Takumarのボケはドアの輪郭の筋が不自然ですが、「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」はなだらかです。

オールドレンズ撮り比べ ④ PENTAX Super takumar 55mm f1.8(作例あり)

もう一つ、「MINOLTA AF 85mm F1.4」も加えて、撮り比べを見てみましょう。


MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]/絞りF4.5


MINOLTA AF 85mm F1.4/絞り F1.4


Super Takumar 55mm F1.8/絞りF1.8

上から
「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」
「MINOLTA AF 85mm F1.4」
「Super Takumar 55mm F1.8」

全て絞り開放で撮影してみました。

135mmは絞り値でいうと実質F4.5になるので、あまりボケていませんね。逆にごちゃごちゃしてるように見えてしまうかもしれませんが、普段はポートレート用として使うレンズなので、実際にはこんな撮り方(小物撮影)ってあまりしません。

85mmはさすがにボケボケ。Takumarは開放がF1.8ですが、なかなかのボケ具合。

続いて、玉ボケの丸だけを見てください。それぞれサイズが違いますが、135mmが一番安定しています。ふわとろボケの85mmは玉ボケも溶かしていますね。Takumar 55mmは丸というよりも楕円です。

ボケのなだらかさは135mmの圧勝。Takumar 55mmは二重ボケになってます。

と、まぁじっくり比べると135mmが綺麗なんでしょうけど、パッと見は85mmが好きなんですよね。

Takumar 55mmはオールドレンズとしては最安値に近いと思いますが、善戦してる感じ。
綺麗なボケではないけど、そもそもこのレンズの魅力は虹色のフレアやゴーストですからね。

それぞれ撮りたい雰囲気や、被写体や場所で選ぶのがいいかと思います。

 


絞りF4.5/露出補正 +1


絞りF4.5/露出補正 +1


絞りF4.5/露出補正 +1 


絞りF4.5/露出補正 +1  2/3

絞りF4.5/露出補正 +1

全体の描写ですが、RAW現像をせずに無調整だと、コントラストも弱くて、彩度もやや低いです。
最近はツァイス製のこってり系レンズをよく使うため、余計にその差を感じているだけかな。実際は平均的かもしれませんが。

あとは、135mmの焦点距離なので、マニュアルフォーカスはちょっと辛いです。
開放で撮影すると被写界深度がかなり浅いので、ピントリングの微調整に時間がかかりますね。

ある程度ピントを合わせたら、自分の身体を前後に動かす方が早いかもしれません。

それは焦点距離の問題なので仕方ないですが、欠点は重たいこと。800gくらいあります。ピントリングを微調整中にプルプルしてきます(笑)。女性にはちょっと辛いかもしれませんね。

続いてフィルムカメラでの描写を見ていきましょう。

 

MINOLTA α-9(フィルムカメラ)で撮影

Kodak PORTRA 400での作例

白〜黒のグラデーションが滑らかなフィルム。白飛びや黒潰れもなく、かなり粘りがありますね。ただの白や黒にはならないです。
若干の色かぶりもありますが、柔らな描写で、ザラつきも控えめ。優秀なフィルムです。


感度設定 200/絞り F4.5

望遠なので被写界深度は浅くなります。開放だとピントが合うのは桜の花びら一枚程度。


感度設定 200/絞り F4.5

フィルムでも変わらず、ボケ味はいいですね。


感度設定 400/絞り F4.5

あえての開放で撮影。手前全体がボケているので、少し不思議な一枚になりました。


感度設定 200/絞り F4.5


感度設定 400/絞り F4.5

桜の花びらなど、小さいものへのピント合わせはやっぱり辛いですね。

感度設定 200/絞り F4.5

でも、いいなーこのボケ味。先にミラーレス一眼で撮影したのですが、フィルムカメラでも撮影してみて、少しずつ気に入ってきました。
このボケ味を堪能したいのなら、背景は空じゃない方がいいですね。

感度設定 400/絞り F4.5

被写体との距離を変えながら撮影してみました。緩やかなボケ味ですね。

感度設定 400/絞り F4.5

これくらい寄れば背景もかなりボケますね。被写体が浮かび上がります。

感度設定 200/絞り F4.5

ぐっと寄ってみました。さすが、絶妙なボケ味ですね。全く嫌味がありません。これにハマると他のレンズじゃ物足りなくなるかもしれません。

ちなみに、「MINOLTA α-9」はファインダーが見やすいので、ほぼピントを外すことなく撮影ができました。
ミラーレス一眼の「Sony α7」では拡大してピントを合わせていましたが、それでも「MINOLTA α-9」の方が合わせやすかったです。

ファインダーの見やすさってあまり意識したことなかったんですが、実際に出来上がる写真は違いました。

感度設定 200/絞り F4.5

同じ場所で晴れた日に撮影。ボケ部分だけを見てると、名玉と言われる意味がだんだん分かってきますね。

ただ、MINOLTA α-9も重たいカメラなので、そこにレンズも重みも加わって、なかなか辛いです。

 

「MINOLTA AF 20mm F2.8」での撮り比べ

焦点距離が20mmとかなりの広角。普段使いには少し難しいので、これ1本というわけにはいきませんが、サブレンズとして持っていた一台ですね。
前回の「MINOLTA AF 85mm F1.4」と同様、オートフォーカスなので、その点は使いやすいです。

Sony α7(ミラーレス一眼)で撮影


絞りF2.8

広角レンズはローアングルで撮影すると迫力が出ます。開放の絞り値 F2.8で撮影しましたが、しっかりとボケます。若干の周辺光量落ちがありますね(写真の四隅が暗くなること)。


絞りF8

絞りをF8にして撮影。しっかり写り過ぎたかな、と。開放での撮影の方がいいですね。


絞りF2.8/露出補正 −1 

次は色温度を変えて撮影してみました。


絞りF2.8/露出補正 −1 

モノクロモードで撮影。広角レンズは格好良く撮れますね!

絞りF2.8/露出補正 +1 

散髪風景を真上から撮影。周辺につれて広角レンズ特有の歪みが出ています。


絞りF2.8/露出補正 −1 

丸テーブルの下に潜り込んで撮影。20mmはかなり広角なので、いつもとは撮り方がガラッと変わります。
大胆に日常を切り取るのもオススメ。

 

MINOLTA α-9 (フィルムカメラ)で撮影

FUJI 業務用(記録用)フィルム100での作例

他のコラムでも使いまくっているフィルム。安価だけど安定した発色、粒状性もよく、価格の割には高品質なフィルムです。
個性は少ないので、良くも悪くもカメラやレンズの特徴が出やすいです。


感度設定 100/絞り F5.6

おー、いきなり好きな感じ。MINOLTAレンズの撮り比べの中では、一番コントラストも強く、鮮やかですね。
広角レンズでコントラスト弱め、彩度が低め、とかだと微妙なレンズになりますからね(僕の中で)。


感度設定 100/絞り F8

20mmということで、ハイアングルの撮影だと歪み・丸みが出ますね。


感度設定 100/絞り F5.6


感度設定 100/絞り F5.6

広角らしい、奥行き。描写は硬すぎることも、柔らかすぎることもないですね。3本試した中で、その点は一番バランスがいいです。


感度設定 100/絞り F4.5


感度設定 100/絞り F4.5

フィルムらしさを一番感じたレンズです。


感度設定 100/絞り F2.8


感度設定 100/絞り F2.8

テーブルフォトには広角過ぎますね。


感度設定 100/絞り F4.5


感度設定 100/絞り F8

逆光で撮影。色の乗りもそこまで落ちません。中心にゴーストが出ていますが、これも嫌な感じではないです。

 

dubblefilm Moonstruck(APOLO)での作例

着色されたエフェクトフィルム。dubblefilmはシリーズ化されていて、中でもMoonStruckはノスタルジックな色で、フィルムらしさをより強調できます(* 2019年の春に「apolo」に名前が変わりました)。


感度設定 200/絞り F5.6

基本的に広角レンズが好きな僕としては、これもまた欲しくなるレンズです。
特にフィルムカメラ+広角レンズが大好きで。ほんと、個人的な意見ですけどね。


感度設定 200/絞り F2.8

普段、50mmの標準レンズを使っている方からすると、切り取り方は難しいですが、慣れてくると一番面白味があります。


感度設定 200/絞り F4.5


感度設定 200/絞り F3.2


感度設定 200/絞り F4.5

同じ場所でもいろんな撮り方が出来ます。望遠よりも見せ方のレパートリーが実は多いです。


感度設定 200/絞り F5.6

躍動感も出ます。これぞ超広角レンズの醍醐味ですね。


感度設定 200/絞り F4.5

大阪のディープな撮影スポットでもご紹介した場所です。
ここは本当に人が面白いです。意外と気さくな方も多いし、何よりキャラの濃さがたまりません。

普通に話しかけられますし、カメラに向かっていきなりピースしてくるおっちゃんもいます。関西人以外の女性が一人で歩くには少し抵抗はあるかと思いますけどね(笑)。

 

㊙︎ 大阪のディープな撮影スポット「危険度レベル別」8選!雰囲気満天のおすすめ撮影地

まとめ


感度設定 200/絞り F3.2

今回、フィルムカメラの「MINOLTA α-9」とミラーレス一眼レフで、3本のレンズを撮り比べてみました。

「MINOLTA α-9」はとても撮影がしやすいです。オートフォーカスの精度も高く、ファインダーも見やすい。そしてシャッタースピードの最速が1/12000秒。開放でバンバン撮影ができます。

レンズも全て秀逸。世間的には「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」ですが、個人的には「MINOLTA AF 85mm F1.4」のとろける系ボケが好きでした。
上記の二つはポートレートに、「MINOLTA AF 20mm F2.8」は風景写真を撮る方にオススメですね。

 

ということで、3種のレンズで撮り比べてみた、(個人的)好きな組み合わせランキングは以下の通りです。一位は同率です。

1、「MINOLTA α-9」+「MINOLTA AF 85mm F1.4」
1、「MINOLTA α-9」+「MINOLTA AF 20mm F2.8」
3、「ミラーレス一眼」+「MINOLTA AF 85mm F1.4」
4、「ミラーレス一眼」+「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」
5、「MINOLTA α-9」+「MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]」
6、「ミラーレス一眼」+「MINOLTA AF 20mm F2.8」

STF 135mmの神レンズをこんな扱いにしてしまいすいません。高画質でボケの滑らかさは一位なんですけどね。実質の開放がF4.5で135mmということで、晴れた日じゃないと、暗くて使いにくいというのもあったので。

それも分かっておきながら、ボケの美しさに機能を全振りした潔さは讃えたいです(笑)。

ミノルタおすすめ中古レンズ13選!緑のロッコールレンズを使ってみませんか?

 

最後に私事ですが、2019年5月23〜26日は関東にて、オールドレンズの基礎やフィルム別の発色の違いなどを紹介するワークショップを開催いたします。
これからフィルムカメラをはじめたい方、もっとフィルムの楽しさを知りたい方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

フィルムカメラもデジカメ・レンズも最高値の買取を約束します!
著者紹介:雨樹 一期(Ichigo Amaki)

著者紹介:雨樹 一期(Ichigo Amaki)

フィルムカメラ・トイカメラの多重露光などで作品撮りの傍ら、大阪・東京を中心に全国でフィルムカメラワークショップを開催。 その他、カメラの個人レッスン、ペット・家族の撮影をしています。 基本、娘と猫と珈琲とカレーに生かされてます。

サンライズカメラは全国一律送料無料でお届けします。13時までにご入金いただければその日のうちに発送いたします(定休日除く)。

サンライズカメラ 訳あり品特集

サンライズカメラ
  • サンライズカメラ 電話番号:0744-46-9124
  • 営業時間:10:00〜18:00(定休日:日・祝)

ページトップへ戻る