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2020.11.17
【旅×フィルムカメラ③】 フィルムカメラとミラーレス2台持ちの旅(作例あり・MINOLTA CLE・Sonyα7R・Nikon Ai-s Micro NIKKOR 55mm F2.8・Nikon Ai-s NIKKOR 85mm F1.4)
旅好きな私が、フィルムカメラやオールドレンズを相棒として携え、出会った素敵な景色をお見せしていく連載。
本記事で早3回目となります。
どんだけ出かけてんねん!と言われそうですが、私の体力が持つ限り笑、まだまだネタは尽きる兆しは見えません。
今回は念願の人生初北海道へ行ってまいりました!
3泊4日でがっつり写真も撮ってこれたので、大きく2回にわけて記事を書いています。
本記事では、荷物を最小限に抑えつつ、フィルムカメラとミラーレスの2台持ちが良かったよ〜というお話や、初めてチャレンジしてみた「再スキャニング」についてなどなど。
これからフィルムカメラを持って旅をしたい人が想像しやすいような、手触り感のある記事を目指して執筆しました。
次の記事では、北海道旅4日間を、時系列に沿って作例を紹介する形としています。
なので作例だけ見たい方は次へ飛んじゃってください!
↓
前回の記事はこちらから〜
↓第1回 静岡は用宗のぶらり旅
↓第2回 静岡は富士宮のぶらり旅
目次
身軽さを重視した持ち物戦略
3泊4日の旅に持っていった機材
旅の前夜。
荷物をあれやこれやと準備している中、「レンズどれ持ってこうか?」「カメラ重たいけど高画質で撮りたいしなぁ」なんて、ぶつぶつぼやきがちなそこのあたなっ!
めちゃくちゃ気持ちわかります。うむ。
参考になるかわかりませんが、今回私なりの荷物戦略が見事成功に終わったので、シェアさせて頂こうと思います。
3泊4日の旅で、荷物はざっとこんな感じ。
・カメラ用リュック1つ
・カメラ2台
・レンズ2本
・フィルム5本
移動手段は、往復の飛行機と、現地レンタカー&列車、という感じでしたので、なるべく身軽にしたく。
あとは飛行機がLCCだったので、機内の持ち込み手荷物は7.0kgまでという制限付き。
これでギリギリいけました!
現地ではリュックを預けたり置いたりして、身の回りはこんな感じで、右手にSony α7R・左肩にMINOLTA CLE・小さめポチェットというスタイルにて。
(カヌー乗船後の服装にて)
だいぶコンパクトで、長靴で野山を駆け回れるくらいの身軽さ。(駆け回りませんでしたが)
2台持っても全然軽いし、さっと写真が撮れてすごくやりやすかったです。
具体的に、持っていったカメラとレンズはこちら。
↓
・MINOLTA CLE
・M ROKKOR 40mm F2
・Sony α7R
・Nikon Ai-s Micro NIKKOR 55mm F2.8
・Nikon Ai-s NIKKOR 85mm F1.4
第2回でも使用した、旅に持っていくべきおすすめカメラ、とってもコンパクトで軽量なレンジファインダー、「MINOLTA CLE」。
(SONY α7R Nikon・Nikon Ai-s Micro NIKKOR 55mm F2.8で撮影)
↓詳しいスペックはこちらから
↓こちらの記事でもMINOLTA CLEをベタ褒めしています
それと、今回初めて使用する、オールドレンズと組み合わせ抜群なミラーレスカメラ「Sony α7R」も携えての旅。
専用マウントアダプターを取り付けて、Nikonのオールドレンズを2本、装備するスタイルです。
ちなみにオールドレンズとは、昔のフィルムカメラの時代に作られた、古い中古レンズのことです。
オールドレンズの魅力については、こちらの記事をぜひ読んでみてくださいね^^
フィルムカメラとミラーレスの両方を使い分ける
デジタル一眼レフを持たない理由
まず前提として、今回の旅にはデジタル一眼レフは持っていかないことは決めてました。
フィルムカメラとオールドレンズの専門店なのでそりゃそうじゃろって感じですが笑、理由はシンプルに、”重たい”!
上の写真は、ミラーレスと私が普段仕事で使用しているCanon 5D markIIIを並べてみた写真。
本体だけで約860gもあり、レンズを含めると1.5kg超え、それを2台持つとなると本当にずしっとクルのです。
厚みだけでもこんなに違うので、体感としては本当に身軽!
描写は素晴らしいのでぜひとも旅の写真もこのカメラで撮りたい気持ちも無くはないのですが、デジタルカメラだとつい大量生産してしまい、あとで整理が大変・・・
何よりフィルムカメラは”一枚への真剣味”がより増すことも考えると、今回はフィルムカメラをメインで使いたいという結論に至りました。
フィルムカメラを「MINOLTA CLE」に決めた理由
なるべく荷物はコンパクトに、でもやっぱり描写力の高い写真を撮りたい!
そんな要望に対して、スパッと迷いなく店長がおすすめしてくれたのが、「MINOLTA CLE」。
(↓前回の静岡旅でも使用しました!)
大きな特徴としては、
・ライカレンズが使える点
・絞りオート機能付き
という点。
そして使い勝手の側面から言うと、とにかく軽い!そして見た目も超おしゃれ。
ライカレンズで描写力も全く不満なく、どこへでもお供にしたくなる優秀なカメラです。
フィルムカメラを旅先で使う時のデメリット
でもフィルムカメラを旅で使うデメリットとしては、1本撮りきるまでISO感度を変えられないという点かなぁと。
場面によっては撮ることを諦めなくてはならないかもしれないなぁ〜と。
身軽旅なので、三脚も持っていきたくないし、何個もカメラを持っていくのは重いし、ちょうどよく夜までに撮りきって高感度フィルムに変えるってのも不確実だし、そもそも高感度フィルムはそんなにお財布に優しくない〜・・・
といったダラダラ不安を解消すべく、今回初めて、サンライズカメラでも絶賛おすすめしている「ミラーレス&オールドレンズ」にもチャレンジしてみることにしました。
ミラーレス一眼レフを使うメリット
ミラーレス一眼レフのSony α7Rを、もう1台のお供にした理由は以下。
↓
・デジタル一眼レフより軽い
・wifi付きなので、データをすぐ飛ばせる
・夜や暗い場所でもISOを調整して撮影できる
・撮りたい画角によってレンズ交換をできる
様々なレンズを交換できるという点で言うと、
今回MINOLTA CLEの40mmだけだと物足りなく、別の画角も欲しい!と思い、Sony α7Rに、欲しい画角をカバーするオールドレンズを付けて、足りない画角を補う形にしたというわけです。
個人的に一番描写が好みな中望遠85mmと、食べ物や、モノの質感をできるだけアップで撮りたくて、マクロレンズを選択しました。
要は、フィルムカメラの良さはもちろん重々承知なんだけども、デジタルカメラの便利さも同時にいいとこ取りしたい!
そんなわがまま心から、両方持っていった次第であります。
↑ミラーレス一眼カメラのSony α7Rには、「マウントアダプター」というものをレンズとボディの間に挟むことで、古きも新しきも、本当に様々なメーカーのレンズを付け替えることができるんです。
比較が面白い!(作例)
今回フィルムカメラとミラーレスとの違いや、レンズによる描写の違いなど、色々な比較が楽しめたので、それぞれの作例をちょっとづつ挙げていきます。
普段はレタッチをしたりしますが、なるべくわかりやすくすべて無修正のものを載せています。
Sony α7R×Nikon Ai-s NIKKOR 85mm F1.4
一番好きな画角かもしれない、85mm。
結構重ためな大口径レンズ。特にミラーレスにつけると頭でっかちな感じがなんかおかしく感じちゃうのですが、F1.4でだいぶ明るく、文句なしの描写でした!
↑最初に一発目この写真を撮ってみて、結構衝撃でした。うまく言葉にできないのですが、圧縮具合が大げさと言いますか、ピントの合っている場所とそうでない場所とが非常にクッキリと分かれている気がします。
確かF1.4で撮っているので、被写界深度の浅くなるのはそうなのですが、デジタル一眼カメラの方がグラデーションが緩やかな気がします。
↓こちらの方がわかりやすいかも!先の地面にピントを合わせたのですが、その前後がスマホアプリで修正したみたいな、ちょっと不自然なボケ。
オールドレンズは最大開放値で撮ったときに特徴がでやすいと先輩スタッフに聞いておりましたが、なるほど頷けます。
↑とても優しい目をしたお馬さん。ピントに合わせた顔以外の奥の体の方は、色味がかなり白っぽくなっていますね。
キラキラ摩周湖。かな〜り遠くの峠から湖の縁にスポットを当てて撮りました、
周辺露光量も少し落ちるので、ただ平面な絵をとってもなんだかドラマチックに見えます。
甘かった〜回転寿司で回ってるやつとは訳が違う!これで100円!オレンジ色がみずみずしい。
湿原カヌーのガイドさん。一瞬の人の表情を撮るのが一番好きで、撮らせていただいたのですが、なかなかすぐにピント合わせができずに、逃した!と思うことばかり^^;
マニュアルフォーカスのレンズで瞬間瞬間を収めるには、やっぱりまだまだ訓練が必要そうです。
Sony α7R×Nikon Ai-s Micro NIKKOR 55mm F2.8
続いて、Microレンズ。あり地獄のような形状。だけあって、(だけあって?)写りは最強でした。
実は私、初めてのMicroレンズ。デジタルカメラでも使ったことがなかったので、それはもう感激の嵐。
普通に55mmとしても幅広く使えるし、感動したポイント1点にピントを合わせた時の、非日常的な描写はやっぱりかっこいいですね。
↑鹿肉〜。ぼってりとした肉の厚み、ジューシー感が表現できていますでしょうか・・?
手前の柚子胡椒orお塩がまた最高でした。
↑ユースホステルの壁にて。
↑今にも鹿やキツネが現れそうな窓辺。(実際現れるんだと思う。)
↑ログハウス。暗くてISO200〜400のフィルムカメラでは撮れず、夜はミラーレスを重宝しました。
↑さんまさんっ
↑とてもくっきり映っていて、レンズの描写力は本当に素晴らしい。
以上2本のレンズでも十分だったけど、欲を言えば・・・
大自然の絶景を広々と写す広角レンズや、遠くにいる野生動物を写すために超望遠レンズも欲しかったかなぁと。
でもでもやっぱり身軽さを重視したかったので、レンズは2本に厳選して正解でした!
↑止まり木に鷲(たぶん)。めったに無い光景だそうで!!
(↑湿原に佇むタンチョウのつがい。ちょっとでも近づくとすぐ逃げてしまうそうなのですが、結構長い時間見ることができました!)
もっと近くで見たい気もしますが、実際に見た目に近い方が、記憶にも近しいし、こ以上近づいてはいけない自然の生き物達の威厳をも感じられ、これはこれで良い思い出かなと思います^^
フィルムカメラとミラーレスで撮り比べてみた
あとは、これは少しマニアック路線ではありますが、オールドレンズの描写と、フィルムカメラでの描写の撮り比べというのも、とても面白いんです。
↓ちなみにこんな感じで撮り比べの記事も沢山アップしております。違いがわかると、さらにカメラやレンズの個性が楽しめますよ!
同じシーンでも、両方のカメラで撮ってあとで見比べてみると、へぇ〜!って感じで非常に面白かったです。
(↑フィルムカメラMINOLTA CLEにて撮影)
(↑ミラーレス一眼レフカメラ Sony α7Rで撮影)
(↑フィルムカメラMINOLTA CLEにて撮影)
(↑ミラーレス一眼レフカメラ Sony α7Rで撮影)
(↑フィルムカメラMINOLTA CLEにて撮影)
(↑ミラーレス一眼レフカメラ Sony α7Rで撮影)
大きな違いとしては、「色ぬりの濃淡」、「粒状性(ざらっと感)の強弱」かなぁと私は感じましたが、みなさんはどうでしょう?
作風の好みは十人十色だと思うので、より潜在的に思い描く自分の好みを見つけるためには、色々なカメラやレンズを試して比較してみるが良さそうですね!
初めて「再スキャニング」をお願いしてみた!
今回最初に現像してもらった写真を見たとき、第一印象は「すごく青緑っぽくて幻想的だなぁ」という感じ。
霧の多い道東の雰囲気にもマッチしたと思います!
ただちょっと暗めすぎかな〜という印象もあったので、試しに何枚か「コントラスト低め・サイド弱め・シャドウ弱め」という要望を添えて、再スキャニングをお願いしてみました。
まずは以下のいくつか作例をご覧ください。
ぜんっぜん違いますよね!
どちらもすごく気に入っていますが、要望でこんなに変わるのかと正直びっくり!
現像するときに、自分の好みの色味や雰囲気を伝えることで作品の幅が広がる、という可能性を垣間見れました。
次からは仕上げにも、もっとこだわって試行錯誤していくのも楽しみの一つになりそうです。
MINOLTA CLE・Sonyα7Rを使い分けて旅をした感想
てなわけで、フィルムカメラのMINOLTA CLEと、ミラーレス一眼のSony α7Rとの使い分けが、なかなか良い感じだったよ〜というお話を中心にさせていただきました。
感想をまとめると、こんな感じ。
↓
・軽くて携帯性があるだけでなく、高描写を持ち合わせたフィルムカメラなら、MINOLTA CLEは俄然おすすめ。
・夜や暗い場所でも撮影したいなら、ミラーレスカメラ×オールドレンズも持っていくと非常に便利。
・量産できるデジタルカメラより、1枚の重みを感じられるフィルムカメラは、旅に最適!
本格的な作品撮りを目的として旅をするのであれば、もっと装備が必要かもしれませんが、おそらくこのブログを読む方は、
「気軽さ」を重視している方が多いんじゃ無いかな〜と思い、今回同じように「気軽さ重視」な私の経験をシェアさせていただきました。
「気軽に」と言っても、ただ記録するだけの写真の撮り方というのは私はどうも解せないのです。
写真の楽しみ方は本当に人それぞれですので、個人的な一意見として聞いてほしいのですが・・・
例えば有名な観光地でパンフレットに載っているような誰が撮っても同じような写真を撮ったり、
目の前に在るもの・動いているものには心を向けず、写真を撮ることが目的になってしまったり、
それってもったいないなぁと思ってしまうのです。
”自分だけの表現”をしたい!
そのためには、自分なりにそこで体験したこと、感じたことを私は蔑ろにしたくないなぁと。
写真を撮る事に集中しすぎると、目の前で起きていることに意識が向けられなくなるという危険性は、常に仕事で写真を撮っていても感じています。
旅に置き換えても、写真を撮るために旅をするのではなく、その土地の空気や景色を五感で感じること。出会った人と会話すること。
そういったリアルな実体感を味わうことが旅の醍醐味であり、タイミングが合えば写真にも残す、くらいの気持ちで”気軽に”写真を楽しみたい人にとっては、1枚1枚を大切にできるフィルムカメラがきっとピッタリだと思います^^
かくいう私も、学生時代なんかはスマホやデジカメで何百枚も撮ってしまい、結局見返さない写真ばかり、、、という感じでしたので、その戒めの気持ちもあります。笑
36枚撮りフィルム5本撮りきっても180枚。1日1本36枚。
本当に残したい景色にしっかり目を向けることができました。
フィルムカメラを持って旅をする。
ほんと最高ですよ!これはきっと、辞められないな。
では、次回もお楽しみに!